【完】君ノート
「えっ!泣かないでよ!花踏んだくらいで…!」
すずらんを踏みつけた、この学校の女子生徒であろう人は私を見てそう言ってきた。
どうしよう。
通学のとき、声だけはかけられないよう必死に注意してたのに。
私は顔をあげて、その人を見たけど…
声が出ない。
「な…なによ!文句あんの?」
あるよ…。
おばあちゃんと一緒に大切に育てたすずらん。
あなたにとってはただの花かもしれないけど、私にとっては大切なすずらんだもん。
謝ってください。
そう言いたいけど、言えない。