【完】君ノート




手を取りたいけど。


私はその手を取れない。





「花音?」





ごめんね、優くん。


私はもう、優くんの優しさには甘えないよ。



だから私のことなんてほっといて。


水かけたときのことなんて、もう気にしてないから。






私は1人で立ち上がると、優くんと目を合わせることなく走り出した。



優くんの横を通り過ぎて。




「えっ。花音っ!!」




名前を呼ぶ声が聞こえたけど…


もう、耳を塞いで1人になりたかった。



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