【完】君ノート



私は鞄からノートを取り出すと、

優くんと、優くんの友達を盗み聞きしてしまったことを書いた。



それを優くんに見せる。





「…えっ!?涼太との話聞かれてたのかよ!?」




みるみるうちに優くんの顔は赤く染まっていく。



不思議に思い首を傾げると、優くんは片手で顔を隠しながら言った。




「ちょ、俺が授業中寝てるとか、バレバレじゃん!」



そんなことを気にしてるの?




思わずおかしくって笑ってしまった。





でもね、優くん。


そのことじゃないの。



優くんの友達が言ってたことが、本当なんじゃないかって怖くなったんだ。


優くんが私のところへ来てくれるのは、水をかけてしまって申し訳ないからなんじゃないかって…。



私はノートの新しいページに、そのことを書く。





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