【完】君ノート
でも違う。
優くんはそんな人じゃないって、
私、分かってたのに。
〔疑って、ごめんなさい〕
私の謝りたい気持ちを、ノートにのせて優くんに伝える。
優くんは、それを見るなり大きく目を見開いた。
「違う!!」
そして大きな声でそう言った。
「俺は、花音のピアノが聴きたかったから…
花音と話したかったから…花音に会いに行ってたんだよ!
確かに水かけたこと、めっちゃ申し訳ないって思ってるけど…違うから!!」
必死になって否定している優くんの言葉は、
焦ってるせいか、ちょっと変な感じ。
でも、不器用だけど伝わるの。
この人の優しさが。
この人の想いが…。