【完】君ノート
「あっ。これ…」
優くんは、机に置いてある踏まれたすずらんに気づき、
もう片方のあいてる手ですずらんを手に取った。
「このすずらん、花音が育てたのか?」
私はその質問にコクっと頷いた。
「そっか。
見てみろよ?踏まれても元気だぞ!
ちゃんと、立派に咲いてる証拠だな?
花音の愛情が伝わってんだろーな」
そう言って、ニカッと無邪気に笑う優くん。
ねぇ、すずらん。
やっぱり私たちは似てるね?
あなたも優くんの手の中で、優くんの温もりを感じてるでしょ?
優くんは踏まれたあなたを立派だって言ったよ?
私もね、この人の温もりに助けられたんだ。
私たち、おんなじだね?
優くんの手の温もりを感じなから、優くんの手の中にあるすずらんを見つめて
そんなことを思ってた。