【完】君ノート
振り返ると、花音は顔を赤くしてボーッと俺を見ていた。
「どした?」
そう聞くと、ふるふると首をふってうつむき
あわてた様子でノートの新しいページを開く。
〔優くんはクラスで人気者だね!
楽しそうな優くん見てると私もすごく嬉しい!〕
…なにそれ。
なんか、この人可愛いんだけど。
「ちげーよ!うるさすぎて疲れたし!」
俺は照れ隠しにそう言いながら、花音が座ってるピアノの長椅子の横に座った。
やばい。花音の言葉に顔がニヤける。
あ、てか。
意外と密着しすぎたかも。
そう意識してるのは俺だけなのか。
花音はノートにまた何か書いていた。