助手席にピアス
「あ、いい考えが浮かんだ」
「なに?」
「雛子ちゃんが琥太郎と結婚すればいいんだよ」
朔ちゃんの爆弾発言に、心臓が跳ね上がった。
「私が? 琥太郎と? 結婚!?」
「うん。そうすれば雛子ちゃんは僕の妹、でしょ?」
「……!?」
私が密かに夢見ていたのは、ふんわりとした純白のドレスを身に纏い、ハワイの青い海と空の下で結婚式を挙げること。でも今の私は、琥太郎に好きだと告げることさえできずにいる。
臆病ものの私が、朔ちゃんの突拍子もない考えに賛成などできるはずがなかった。
突然、大胆なことを言う朔ちゃんに驚き、視線を向けると、何故か物悲しげな表情を浮かべていた。
「雛子ちゃん、初恋が実らないって本当だと思わない?」
「え? う、うん。そうかも」
ついさっきまでは琥太郎と私が結婚すればいいとか、冗談みたいなことを言っていたのに……。
今の朔ちゃんは、哀愁を漂わせる雰囲気を醸し出している。
朔ちゃんはいったい、なにを考えているの?
不安が胸一杯に広がった時、朔ちゃんは爆弾発言の第二弾を予告もなしに落とした。
「僕の初恋の相手は雛子ちゃん、キミだよ」
「も、もう。朔ちゃんったら、また冗談言っちゃって!」