My sweet lover
「じゃあ、俺の家に来い」


「はい?」


「俺の家、空いてる部屋があるしな。

そこをお前に貸してやる。

あ、家賃もタダでいいぞ」


「ちょっ」


な、何言ってるんでしょ?この人。


頭がおかしくなったんじゃない?


「イ、イヤです。

社長、怖いんですもの。

お店で会うだけでも正直大変なのに、家に帰ってまで会いたくありません」


私の言葉に、目を見開く社長。


あ…。


つい本音を言っちゃった。


どうしよう。


怒ったかな?


恐る恐る上目遣いで社長を見てみる。


あれ?ちょっと頬を膨らませてる?


「別に、家じゃ怖くねぇよ……」


ボソッとつぶやく社長。


「ちゃんと優しくするし、お前がさみしくないように俺がそばにいてやるからさ」


思わず顔が引きつってしまう。


ありささんのために、社長ってホントに何でもするんだな。


ある意味恐ろしい……。


「お前、朝日の愛人でいいのか?」


「それはイヤですけど。

それとこれとは……」


「このまま今のアパートに居たら、お前、朝日の愛人まっしぐらだぞ」


「ちょっ、朝日さんはそんな人じゃありませんよ」


ちゃんと考えてくれてると思う。


本当に、優しい人だから……。

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