My sweet lover
今日は定休日なので、社長も私も仕事はお休み。


私は朝早く起きて、自転車を走らせた。


私のストレス発散方法は、やっぱり運動だ。


接客業ってかなり気を遣うし、色んなお客様がいるのでつらいことも多い。


汗を流すと本当に気分がいいし、この一週間のイヤな出来事を忘れる事が出来る。


すっかり気分が良くなって社長のマンションに戻ると、リビングで社長に会った。


「お前、どこ行ってたの?」


入るなりいきなり尋ねられた。


「サイクリングです。ちょっと今日は遠くまで行ってました」


「タフだなー」


社長は部屋着のまま、ソファで新聞を読んでいる。


「汗かいたんで、シャワーお借りしますね」


そう言ってリビングから出ようとすると。


「なぁ」


社長に声をかけられた。


「はい?」と振り返ると。


「今日、一緒に出かけよう」


え…?出かける?


「あの、どこにですか…?」


私の問いに、社長が口を尖らせた。


「別にどこでもいいだろ?いいから早くシャワー浴びて来いよ」


吐き捨てるように言う社長。


なんなの?その言い方。


私には断る権利もないのかーーー!

< 141 / 380 >

この作品をシェア

pagetop