My sweet lover
社長が先にベッドに上がり、端の方へと座る。


私のスペースを空けてくれていることが恥ずかしくてたまらない。


社長がトントンと布団を叩いて、こちらに来るようにと合図する。


もう、もうっ。


どうしよう。


こういうことに免疫がないのにーーー。


私はゆっくりと社長のベッドに腰を下ろした。


座ってはみたものの、あまりの恥ずかしさに身動きが取れない。


「水沢…」


後ろから低い声で呼ばれて、ドクンと心臓が跳ね上がる。


私は目をぎゅっと閉じて、社長の横に座った。


「じゃあ…寝よう」


社長がベッドに横たわるのが気配でわかる。


あぁぁ、こんなことって。


夢じゃないかしら?


夢よ、きっと悪い夢なんだわ。


半ばやけくそになって、社長の隣に横たわった。


とにかく雷さえ過ぎ去れば…。


社長がそっと私に布団をかけてくれたので、閉じていた目をゆっくり開いた。


社長の布団は軽いのに温かくて、その温度に少し気持ちが落ち着いて来た。


「社長。雷が怖いんなら、最上階に住んでちゃダメですよ」


せめてもう少し下の階なら、そこまで怖くないでしょうに。


「おやじに言ってくれよ。ここのマンション、俺が選んだんじゃないんだから」


えー、そうなんだ。


ここって久遠オーナーが決めたマンションだったんだ。


てっきり社長の趣味かと思ってたな。

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