My sweet lover
「え…?」


ありさの大きな目が、さらに大きくなる。


「大学の時からずっと。

ありさが朝日と付き合っていても、ずっとお前だけを思ってたんだ」


心臓の鼓動がうるさいぐらい騒がしい。


ありさに聞こえているんじゃないかと思うくらいに…。


「俺の気持ち、知らなかったろ」


俺がそう言うと、ありさはコクンと頷いた。


やっぱりそうか。


さすがありさ。鈍感だ。


「俺の事、友達としてしか見てなかったんだろう?」


ありさは俺の顔を少し見て、申し訳なさそうに俯いた。


「…そうだね。友達だと思ってた」


予想通りの答えで、悲しいのを通り越して笑えてくるな。


「なぁ、ありさ。ありさは最初から朝日が好きだったのか?だから告白にOKしたのか?」


俺の質問に、なぜかありさは顔を赤くする。


「ううん。告白されるまで、そういう対象で見たことはなかったの。もちろん素敵な人だなって思ってたけど。
朝日君ってすごくモテて、私なんて相手にしてないと思ってたから。
あ、それは夏樹君も同じだよ」


「え?」


「夏樹君もすごい人気だったから、私をそんなふうに思ってるわけないって思ってた」


ん?


「じゃ、じゃあさ。もし俺が朝日より先に告白してたら、もしかしてOKしてくれてたってこと?」


ありさの顔がさらに赤くなっていく。


「……うん。私、二人に憧れてたし、同じように好きだったし、きっとOKしてたと思う」


ま…じかよ…。

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