My sweet lover
「祝杯…?」


よく見てみると、ソファの前のローテーブルの上に、何やら美味しそうな料理が並べられている。


「突っ立ってないで座れよ」


社長にそう言われて、私は社長の横にそっと腰掛けた。


社長が慣れた手つきでワインを開け、私にグラスを持たせる。


紫色の綺麗なワインが、グラスにゆっくり注がれていく。


社長も自分のグラスにワインを注ぐ。


「じゃ、乾杯」


二人でグラスを少し上げると、すぐに社長はそのワインを口にした。


私もとりあえず飲んでみる。


「あ、これ高いワインですね。フランス産ですか?」


思わず問いかけると。


「お前、すげぇな。よくわかったな。

ちょっと今日は奮発したんだ」


社長がニコッと笑う。


「あの…、このお料理はどうされたんですか?」


「あぁ、デパ地下で買って来た。俺は料理が作れないからな」


社長がデパ地下?


に、似合わない…。


「あの、何のお祝いなんですか?

夏樹さん、もしかして今日お誕生日ですか?」


社長がフッと鼻で笑う。


「俺の誕生日は5月。今日の祝いはな…」


ゴクリ息を飲む。


なになに?


なんなんだろう。


「俺、今日ありさに告白したんだ」


「えぇっ?」


ま、まじで~~~?

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