My sweet lover
「朝日、それ見たら喜ぶかな?」


「え…?」


「きっと、喜ぶよな」


「社長…」


「お前の初めてはアイツに捧げられるんだな。なんかちょっとうらやましいよ」


「え…?」


うらやましいって、どういうこと…?


「俺、初めての子としたことってないんだ。

アイツはありさの初めても、お前の初めてももらっちまうんだな。

なんかズルイよな」


うっ。


社長ってば、いつもそんなHな事ばっかり考えているのかな?


「これからどうする?どこか出かける?」


突然そんなことを言い出す社長。


「え…?あ、いやあの…」


なんだかここんとこずっと、休みの日は社長とばかり一緒にいるような気がする。


私と一緒で社長はいいのかな?


他の女性とデートとかしなくていいんだろうか…?


「あの私、今日は帰ります。家でDVDでも観てます…」


今日は家でおとなしくしていよう。


なんか最近、ちょっと疲れているし。


「じゃあ俺も一緒に観ていいか?
プロジェクター出してやるよ。結構、迫力あるぞ」


「えっ。社長、プロジェクター持ってるんですか?」


「うん。スクリーンがリビングの天井にあったろ?見てない?」


「全然気づかなかったです…」


「じゃあ、決まりな」


あらま。


結局、今日も社長と過ごすのね。


うーん、なんだか複雑……。


「あ、そうだ。今日の晩飯、何か作ってくれないか?」


「え…?」


「お前また“社長”って呼んでるし。いいだろ?」


「うっ。わ、わかりましたよ。下着のお礼もありますし、頑張ります」


「おー、楽しみだ」


そう言って子供みたいに無邪気に笑う社長。


私、最近社長の色んな表情を見ている。


意外な面ばかり、沢山見てしまった。


こんなに見せられると、正直戸惑ってしまうよ…。
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