My sweet lover
私と社長は一旦車を置きにマンションへ帰ると、私はスーパーに買い出しに、社長はDVDを借りにレンタルショップへと出かけた。


私は餃子の材料とその他食材などを沢山買い込んで、スーパーを後にした。


餃子を作るのは久しぶりだ。


短大の頃はよく友達と作ったものだけど、一人分って作る気にならないんだよね。


そう思いながら、マンションへの道を歩いている時だった。


私の目の前に停車するコンパクトでオシャレな車。


何なんだろう?とビックリしていると、ガチャンと車のドアが開いた。


「由梨ちゃん」


車の中から出て来たのは、茶色のカットソーを着た朝日さんだった。


「朝日さんっ」


「ここの近くを走ってたら、由梨ちゃんの姿が見えたものだから、慌ててこっちに車回したんだ。買い物の帰り?」


「はい」


「由梨ちゃんが今住んでるのって、この近所なの?」


「え?あぁ、はい…」


朝日さんって、社長の家がこの近くだって知らないのかな?


社長がここに引っ越して来たのは社長に就任した時だし、朝日さんと社長はしばらく会ってなかったみたいだから、知らない可能性の方が高いよね。


「随分買い込んでるね。友達と食べるの?」


「え、えぇ、そうなんです…」


うー…、大丈夫かな?


私、ごまかしきれるんだろうか。


「あの…さ、由梨ちゃん。これからちょっとドライブでもしない?」


「え…?」


「まだありさとは別れてないけど、でも少しくらい由梨ちゃんと過ごしたい…」


「朝日さん…」


私も、朝日さんと過ごしたいな…。


社長に聞いてみようかな…。


そう思って、スマートフォンを取り出そうとした時だった。


「水沢、どうした?」


背後から聞こえる低い声。


しゃ、社長~~!


なんで出て来るの~~~?
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