My sweet lover


今朝、水沢と朝を迎えてしまった。


アイツの部屋に運ぼうと思えば運べたのに、俺は自分の隣で水沢を寝かせてしまった。


リリーに似てるせいか、アイツがそばにいるとホッとしてしまうんだ。


今日もアイツは、忙しく走り回っていた。


レストランのホールスタッフというのは、体力がなければ出来ない仕事だ。


アイツは体育科を出ているだけあって、人一倍タフだ。


本当はその体力を別の仕事に生かしたかったのかもしれないのに、俺が強引にこっちの世界へ引き入れてしまった。


アイツの履歴書を改めて見たら、健康運動指導士とスポーツ指導者基礎資格も持っていた。


それを見た時、もしかしたらアイツはいつかここを辞めるんじゃないかと思った。


俺の元から去って、どこか遠くへ行ってしまうんじゃないかって。


そう思ったら、なんだか苦しくて。


それで思わず、あんなことを言ったんだ。


“ずっと俺の店に居ろ”って……。


アイツはずっと俺の店にいると言ってくれたけど、ハッキリ言ってそんなの迷惑だよな。


なんであんなことを言ってしまったんだろう。


最近の俺は、どうかしている。

 
事務所でそんな事を考えていたら、俺の携帯が鳴った。

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