My sweet lover
「はい」


『もしもし、夏樹君?』


「ありさ?」


『今、ちょっといいかな?』


「うん、大丈夫だ」


どうしたんだろう?こんな時間に。


『夏樹君…あのね』


気のせいか?


なんだか少し鼻声のような…。


『私、今日朝日君と別れたの』


え…?


別れた…?


『今まで何度も別れて欲しいって言われてたんだけど、今日は決定的な事を言われてしまったの』


決定的な事…?


『朝日君ね、好きな人がいるんだって…』


俺はゴクンと息を呑んだ。

 
朝日の好きな相手。


俺はその相手を知っている…。


『すごくビックリしたし、意外だったの。

だって、そんなふうには全然見えなかったから。


朝日君が好きな相手ってね……』


俺の心臓の鼓動が速くなっていく。


気のせいか、指先が冷たい。





『由梨ちゃんなんだって…』

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