My sweet lover
思わずギュッと目を閉じる。


そうか。


朝日は水沢の名前を出したんだな。


好きな人がいるって言うだけじゃ、きっとありさは納得しなかったんだろう。


だけどその相手がまさか水沢だなんて、ありさはこれっぽっちも思っていなかっただろうな。


『まだ朝日君の片想いらしいんだけどね…。

でも、本気なんだって。

すごく好きだって、そう言ってた…』


片想い…?


そうじゃないのに、なんでそんな嘘を?


あぁ…、わかった。


アイツは優しいからな。


水沢は関係ない、悪者は自分一人でいいって、そう思ったんだろう。


そういうところ、感心するよ。


『そこまで言われたら、私ももう何も言えなくて…。


海外勤務の話もしたけど、当然ながら引き止めてはもらえなかった』


「そうか…」


こんな時、なんて言って声をかけてやればいいんだろう…。


『でもね、こんなこと言うと嫉妬だと思われそうだけど、朝日君と由梨ちゃんって似合わないと思うの』


「はっ?」


ありさの意外な言葉にビックリしてしまう。


そ、それは水沢の見た目の事なのか…?


確かに俺も以前、似合わないってアイツをからかったことはあるけど、決して本気じゃねぇぞ。


ありさ、それはいくらなんでも水沢に失礼なんじゃ…?

 
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