My sweet lover
お店の駐車場に、朝日と水沢の姿が見えた。


『ねぇ、夏樹君』


「…ん?」


『私が帰国する頃には、お互い恋人が見つかってるかな?』


恋人…?


「どうだろうな…」


覗くのも失礼かと思い、ブラインドを戻そうとした瞬間。


朝日の胸に水沢が飛び込んだ。


強く抱きしめ合う二人。


水沢が泣いているのがわかる…。


随分、時間がかかったもんな。


やっと、二人は一緒になれるんだな。


「ありさ…」


『なあに』


「俺には現れないよ…」


『え…?』



恋人なんて。




本当に欲しい人なんて。




そんなのきっと。





俺は一生





手に入れることは出来ないんだ……。

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