My sweet lover
「マジでやばかった…。下手したら事故ってたかもしれない。

店を出た時に雷が鳴ってたら、間違いなくタクシー使ってたと思うけど、途中で鳴り出したから、そのまま走らせたんだ…」


そんな危険を冒していたなんて…。


申し訳なくて泣きそうになる。


「無理してでも、行って良かった。

俺が行ってなかったら、間に合わなかったかもしれないから…」


「間に合わないって、何がですか?」


「はぁっ?」


「えっ?な、なに?」


夏樹さんが呆れたように顔をしかめる。


ワケがわからずぽかんとしていると…。


「朝日がさっきお前にごめんってあやまってたろ?あの意味わかってる?」


え…?なんだっけ?
 

あ、そうだ。ちょっと強引なキスをされたんだ。


それが、どう間に合わないって言うんだろう?


「お前の初めてを奪われかけてたんだぞ!」


「えぇっ?ち、違いますよ!あれはそういうんじゃ…」


朝日さんは私の気持ちが追いつくまで待ってくれるって言っていたし、あのままどうこうって事はないと思うけどな…。


ぶつぶつ考えていたら、頭上で大きなため息が聞こえた。


「ったく、危なっかしいヤツ。男の生態がわかってないから怖い…。
お前、保健体育の先生って嘘だろう?」


「なっ、本当ですよ!」


「じゃあ実技だけで、全然勉強してなかったんだな!」


う~。どうして怒られなくちゃいけないの?

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