My sweet lover
夏樹さん、よっぽど疲れていたんだな…。


一瞬で眠っちゃった。


寝ている横顔をじっと見つめてみる。


大人の男性だと思っていたけれど、寝顔はちょっと可愛いかもしれない。


来てくれて、ありがとう…。


夏樹さんが来てくれてなかったら、どうなっていたかな。


朝日さんと居ても夏樹さんのことばかり考えていたから、遅かれ早かれ自分の気持ちに気づいていたかもしれない。


でも、さっき夏樹さんが言っていたように、朝日さんと身体を重ねた後だったら、私は夏樹さんの元へはもう戻れなかっただろうと思う。


夏樹さんが迎えに来てくれたから、こうして今あなたと一緒にいられる。


雷の中、怖い思いをしてまで来てくれてありがとう。


眠っている夏樹さんのサラサラな前髪に、そっと触れてみた。


初めて触れたけど、本当にすごいキューティクルだな。


今度、夏樹さんのシャンプー借りてみようかな…。


そっと夏樹さんの身体にしがみついて、ゆっくり瞼を下ろした。


昨日とは打って変わって、優しくてあたたかい夜が私達を包んで更けていった。

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