My sweet lover
「なぁ、いつもこんな感じなのか?」


突然の社長の質問に、林さんは目をぱちくりさせている。


「あーはい。大体こんな感じです。

水沢だけですよ-、僕の料理をホメてくれるのは。

谷口さんも柚木も僕には冷たくて」


「ふぅん…」


な、なんだろう。


その心のない“ふぅん”は…。


「水沢は、みんなに親切なのか?」


なぜ夏樹さんは、その質問を林さんにするんだろう。


「そうですねぇ。彼女は誰にでも優しいですよ。先輩コックもみんな水沢が一番良い子だって言いますもん」


ちょっ、林さん。


余計なことだよーーー。


「ちょっと何よー。あたしは良い子じゃないっての?」


沙希もそこ!絡まなくていいからっ。


「お前は論外だ」


きっぱり言い放つ林さん。


「くやしー。聞きました~?谷口さーん」


「まぁ、そうだろうね。

あんたは私と同じ道を歩むことになるわ」


「同じ道って…。男性社員に嫌われるって事ですか~?」


「その態度じゃね」


「いやーーーっ」


一体なんの会話なの?


なんかご飯がおいしくなくなるんですけど。


そんなことを思っていたら。


「水沢。あとでちょっと社長室に来い」


夏樹さんが爆弾を落として、社長室へと去って行った。


ちょ、ちょっとちょっと。


悪い予感がするんですけどーーー。
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