My sweet lover
今のって男の声だよな?


「お前、誰だ…?」


ヤバイ…。


変な男に何かされていたら、どうすりゃいいんだよっ。


『社長?』


ん?この声って…。


「林?どうして林がこの電話に出るんだ?」


『あのー、今水沢と一緒に飲んでるんスけど、水沢ひどく酔っちゃって、電話に出られる状態じゃないんです』


「はぁぁ~? お前、そいつを酔わせて何しようとしてるんだ?」


林のヤロー、ぶっ殺す!


『ちょっ、違いますよ。水沢が勝手に飲んだんですってば』


由梨が勝手に飲んだだと?


そんな話、信用出来るわけがないだろう!


「お前、今どこにいる」


『えっ?あっ、焼き鳥岩ちゃんにいます』


岩ちゃんって…、うちのお店のすぐ近くじゃねーか。


「そこにいろ。15分で行く」


『えぇっ?』


「いいか?林。絶対そこから動くんじゃねぇぞ!」


『は、はいっ』


俺は電話を切ると部屋を飛び出して、大急ぎで車に乗り込んだ。

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