My sweet lover
「それが一番の夢?」


「…はい」


やっぱり、変なのかな。


もっと壮大な夢の方が良かった?


「なんだ。そんなことなら…」


「え…?」


目をぱちくりさせていると、ぐいっと身体を引き寄せられ、夏樹さんの胸に私の額が当たった。


夏樹さんの甘い香りが私を優しく包み込んで離さない。


夏樹さんは私の肩に手を置いて、ゆっくりと仰向けに寝かせた。


私に覆いかぶさると、一気に二人の顔の距離が近づいた。
 

夏樹さんの綺麗な黒髪が、私の額を撫でていく。


優しい瞳で私の事を見つめるその視線に、ドキドキと鼓動が鳴って、顔に熱が帯びていく。


「俺が叶えてあげる」


「夏樹さん…」


「絶対叶えてやるからな…」


そう言った後、二人の唇が重なった。


ホントに…?


ホントに夏樹さんが叶えてくれるの?


まだ付き合って数日だよ?


もしかしたら、気分が高まってそう言ってるだけなのかもしれない。


だけど、やっぱり嬉しくて…。


いいの。


そんなこと言われる日が来るなんて、思ってもなかったから。


私、そう言ってもらえるだけで。


もう充分幸せだから…。

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