My sweet lover
緊張の面持ちでスタートした今日の仕事だったけれど、久遠オーナーは終始穏やかな雰囲気だった。


オーナーは時折店内に出て来られ、昔から来られている常連さんと仲良く話したり、厨房で料理を味見したりと楽しそうにされていた。


本当にただ様子を見に来られただけなのかもしれない。


それにしても…。


今夜はどうされるのかな?

 
夏樹さんの部屋に泊まりに来るのかな?


掃除とかしておいた方がいいかも。


寝るとしたら、どこで寝るんだろう。


私の部屋で寝る?

 
もしかして私のベッドを使う??


そんなことを考え始めると、なんだかドキドキして来ちゃったな…。


20時に仕事が終わると、私はオーナーに挨拶をして足早にお店を後にした。


みんながいる手前、無難な挨拶に留めたけれど。


家に帰ると、私は早速掃除に取り掛かった。


夏樹さんの家はお掃除ロボットが置いてあって、リビングや廊下はいつも綺麗に保たれているからいいんだけど、問題は私の部屋だ。


朝日さんの家から戻って以来、段ボールはほぼそのままだし、ほとんど使ってないけれど、ホコリがしっかり積もっていたので綺麗にしておいた。


夕食を食べお風呂も済ませると、ドキドキしながらリビングで二人の帰りを待った。

< 330 / 380 >

この作品をシェア

pagetop