My sweet lover
由梨を含め早番の連中が帰った後、俺とおやじは店を後にし、二人で寿司屋に入った。


「乾杯」


二人で日本酒を口にする。


おやじとこうして飲むのは、実に久しぶりだ。


「どうだった?お店」


やっぱりそこは気になるところなわけで。


「うん、なかなか良い雰囲気だね。

従業員同士も仲が良いし、よくまとまっていて仕事もスムーズだ。

売上げも良いし、特に問題はないよ」


おやじにそう言われると、やっぱり嬉しいもんだな。

 
それなら安心した。


「あ、おやじ。今日どうするんだ?どこに泊まる?」


「あぁ、駅前のホテル予約してあるんだよ。朝一で電車に乗って帰るよ」


そうなんだ。


泊める気でいたから、ちょっと拍子抜けしたな。


由梨の紹介は、また次回にするかな?


「なぁ、夏樹。実は今回、大事な話があってな」


「大事な話…?」


なんだろう?


「今、大阪のホテルに、新しい店を出す準備をしているのは、お前も知ってるよな?」


「あぁ」


高級ホテルのテナントに入るんだよな。


フランス料理で、いかにも敷居が高そうな店だ。


「もうすぐオープンなんだが、実はちょっと問題があってな…」


問題…?

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