My sweet lover
なぜだかわからないけれど、私はレストランの窓際の席に、朝日さん、ありささん、社長とともに4人で腰掛けている。


き、気まずい。


朝日さんといるのも、社長といるのも……。


「朝日。朝日達の披露宴は、水沢を担当にするから」


はっ?


今なんて?


「由梨ちゃんが担当になってくれるの?嬉しいわー」


無邪気に笑うありささん。


いやいや、ちょっと待て。


披露宴担当なら、谷口先輩がいるでしょうに。


「水沢、まかせたぞ」


「ちょっ、社長。

私、披露宴の担当ってまだしたことがないんですけど」


いきなり過ぎて、ワケがわからない。


「これから教える」


ん、んな軽いノリで。


「由梨ちゃん、お願い出来る?

僕、由梨ちゃんが担当なら嬉しいな」


おいおいおいっ。


この前の気まずい展開を、もうお忘れで?


男前の気持ちは、さっぱりわからない。


「まぁ、まずは料理からだな。

要望に出来るだけ応えるようにするから。

予算はどうしようか?

……は……にも出来るし、……を添えてみるとか……」


横で社長が何か言ってるけど、私はうわの空だった。


ひどい。


ひど過ぎる。


社長のバカ、ボケ、カスーーー!

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