My sweet lover
『由梨ちゃん…』


「はい…」


『会いたい』


「え…?」


『会いたいんだ…』


「あ、あの…」


どうしよう。


胸の鼓動が…。


「あ、会えないです…」


震える指を強く握りしめた。


『どうして?
この頃、いつお店に行っても由梨ちゃんはいないし。
担当者もいつの間にか変わってるし。
僕を避けてるの?』


「……避けてなんか、ないです…」


私だって本当は…。


『もう好きだなんて言わないから。
友達でいいから。それでもダメ?』


「社長が」


『え…?』


「社長が、気づいてます…」


『夏樹が…?
え…、まさか担当が急に変わったのって…』


「はい…。社長に担当を降りるように言われました。
だから、もう会えないんです…」


多分、もう二度と…。

< 89 / 380 >

この作品をシェア

pagetop