嗤うケダモノ
それに問題はまだ残っている。
由仁から飛び出したように見えた、空狐と名乗った小さなオジーチャン。
それから‥‥‥ 九尾。
アキや自分は助かった。
だが代わりに彼の身に、人生を覆すような重大なナニカが起こったのではないだろうか‥‥‥
「なんでも、聞きます。」
日向は再び由仁を見据え、言葉を区切りながらハッキリと告げた。
由仁の目がスっと細くなる。
「‥‥‥なんでも?」
「ハイ。」
そう、なんでも。
どんなコトでも。
他に、こんな大きな借りを返す方法など思いつかない。
気紛れにこの思いを弄ばれても なんてコトはない。
さぁ、カノジョでも奴隷でも、バッチコ─────イ!!
「じゃ、ヒナは明日からオカ研部員だから。
よろしくネ、可愛いバニーちゃん☆」
「ハイ!
‥‥‥‥‥ハイ?」
え?
その程度でイインデスカ?
ん?
その程度でもナイのか?
微妙な顔で頷く日向を見て、由仁は可笑しそうに声を上げて笑った。