嗤うケダモノ

いやいや。
見惚れてる場合じゃねーよ。

日向は動揺に震えながら、なんとか言葉を…


「せせせんぱ… なななな…」


…言葉になってナイよネー?


「んー? なんで来たのって?
ヒナ、今日は暇って言ってたから、一緒に遊ぼーと思って。」


あら、通じたわ。
エスパーか。


「ななななな…」


「んー? なんでイキナリって?
普段のヒナが、どんなか知りたくて。
寝起きが見られるとは思ってなかったケド… ラッキー☆」


「っ?!//// ~~~っ!!!
きっききききき…」


「うん、待ってるー。
ゆっくり着替えておいで?」


ナニ?この会話。
本気でエスパーか。

降りてきた時と同じスピードで日向は部屋に逆戻りした。

とんでもねーカッコ、見られちゃったよ。

名誉挽回しなきゃ。
カワイくしなきゃ。
彼に釣り合う女にならなきゃ。

ワンピース?
フリル?
ピンク?

それとも‥‥‥

日向はウォールミラーに映る自分を見つめた。

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