嗤うケダモノ
「…
今日はありがとうございました…」
いつもの公園で由仁のバイクを降りた日向は、いつものようにヘルメットを差し出しながら言った。
でも、視線は逸らしたまま。
顔を見たら、あらぬコトを口走ってしまいそう。
「あー、楽しかったー。
ねー? ヒナー?」
エンジンを止めた彼の声が、本当に楽しそうに弾む。
もーイイから、早よ帰れ。
このまま一緒にいると、私が涙ながらに告白、なんつー目を覆いたくなるようなエグい展開になっちゃうじゃねーかよ。
「ヒナ?」
訝しむような、彼の声。
だから、もーイイっつーの。
帰れー 帰れー 帰れー…
「‥‥‥ヒナ…」
甘く囁く、彼の声。
頬に触れる、長い指。
帰れ帰れ帰れか~え~れぇぇぇ
(↑もはや呪い)
って…
あらら?
気づけば、距離が近くて。
腰に腕が回ってて。
目の前に、身を屈めた彼の綺麗な顔が‥‥‥
「クァwセdrftgyフジコ??!!」