嗤うケダモノ
「…
そろそろなついてくれたと思ったンだケドなー…」
なつく、て。
動物の餌付けか。
結局スタ●ドは出さず、足を止めた由仁は困った顔で下唇を引っ張った。
「ヒナ、俺のコト嫌いー?」
「きっっ?!
キライじゃねーデスケドも?!」
真っ赤になった日向の声が裏返る。
って、テンプレじゃねェか。
「じゃ、好き?」
「す…すすすきゃきゃきゃ…
そそそーゆー問題じゃなく…
わわ私と先輩は、付き合ってるワケじゃなくて… だから…
だか…ら‥‥‥
だからナンナンダぁぁぁ??!!」
カットソーの胸元をイジイジしながらモゴモゴ呟いていた日向は、とうとう頭を抱えて絶叫した。
(しまったぁぁぁ!
コレじゃ… コレじゃまるで…)
お付き合いを迫ってるみてェじゃねーデスカ─────?!
なんてコト言っちゃってンの?!
こんなん、面倒臭い女じゃん。
こんなコトになるなら、好きって叫んで玉砕したほうがマシだった─────!!
あぁ… もーダメ。
泣きそう‥‥‥