嗤うケダモノ
『天井裏』
名前を書いた紙人形を天井裏に置き、ひたすら『マツ●マチヅコ』を呼び続けるダケという、安直で眉唾な降霊術だ。
良いコのみんなは、真似しないでね?
万が一おいでになっても、帰らせる方法も終わらせる方法もアリマセンm(_ _)m
こーゆーの初めてー、ナニが来るカナー、やっぱゴミ袋に入った白塗りの人カナー、天井裏だけに?…
浮かれまくって、一人で喋りながら用意を進めていく由仁を呆れ顔で眺めていた日向が、口を開いた。
「初めてなンですか?
昔、流行りませンでしたっけ?
『ひとりかくれんぼ』とか。」
「え?!
ヒナ、アレやったの?!」
振り返った由仁の真剣な表情。
そして、いつもより鋭い声。
え…
ナニ?
『ひとりかくれんぼ』って、そんなにヤバいの?
まとめになってた恐怖実況は、釣りじゃなかったの?
「や、やってません。
てか、名前くらいしか知りません、ホント。」
「そーなの。
よかったー。」
青ざめた日向がフルフル首を振ると、由仁は安堵の溜め息を吐いた。