嗤うケダモノ
「『ひとりかくれんぼ』…
アレは… ヤバいよ…」
低くなる由仁の声。
「ままままじっスか…」
震え出す日向の声。
「アレは… 準備がヤバいの。
てか、準備がクライマックスとも言うよネ…」
「えぇ?! 準備が既に?!」
「ぬいぐるみを切り裂いたり、グサグサ刺したり…」
「ひ… ひぃぃぃぃぃ??!!」
「そんな恐ろしいコト…
俺には… 出来なかった…」
由仁は悔しそうに項垂れた。
日向は身を縮ませた。
…うん。
ぬいぐるみ刺すとか、確かにヤバいと思うケド。
なんつーか…
『ヤバい』のベクトル、違くナイ?
…
ま、イっか。
気を取り直して、脚立に登って天井にある蓋を持ち上げて。
ドコからおいでになってもわかるように、ヘッドランプを装着して身を乗り出して。
配管や電気の配線が走る天井裏に紙人形をセッティングして。
あまり興味のない日向は、デスクに宿題を広げて。
ハイ、降霊術スタート☆