嗤うケダモノ
三人は小学生の頃からの付き合いだ。
昔から、頼れる委員長キャラの樹と姉御肌で面倒見のいい百合は、ドコまでもマイペースな由仁のお目付け役だったりする。
それで今回も樹は、夏休みの課題をバックレようとする由仁のケツを叩き、皆が帰った放課後の教室でお勉強会を開催中なのだが…
いや、こーゆーの慣れっこなンだケドさ。
てか、もう年中行事なンだケドさ。
もう10月も半ばデスヨ?
いい加減、怒りマスヨネ?
ワカリマス。
「おい、落書きするな。
マジメにやれ。」
「とっとと終わらせて!
ジンはやれば出来るコでショ?!
グズグスしなーい!」
樹と百合に鬼の形相で詰め寄られた由仁は…
「三人でやれば、すぐに終わるよ?
ちょこっと手伝って☆」
軽く首を傾げ、艶やかに微笑んでみせた。
だが…
「「甘えんな。」」
ハイ。
キタコレ、即答。
二人におねだりは通用しない。
由仁は長い指でシャーペンをクルクル回しながら、深い溜め息を吐いた。