嗤うケダモノ
由仁は日向の頬に指を滑らせながら、妖しく微笑んだ。
「じゃあ、来年のクリスマスにも見せたげる。
再来年もその次も。」
「え…」
「毎年クリスマスには、俺が光の雪を降らせるから。
ヒナのためだけに。
だからずっと一緒にいよー?」
大抵こーゆーコト言うと、彼女は真っ赤な顔で
『ナニを言ってやがりマスカ』とかって逃げようとするンだケド。
反抗的に瞳を輝かせるンだケド。
その強い光が、全神経の先まで痺れるような快感を与えてくれるンだケド。
今夜、日向は…
腕の中で目を潤ませたまま微笑んだ。
「‥‥‥ハイ。」
その上、小さく頷いて身を預けてきた。
…
ナニ?
この可愛い小動物は。
全身を駆け巡る刺激の代わりに ぬくもりが由仁の胸を満たす。
きっと、彼女にも魔法がかかったに違いない。
俯く日向の顎を、由仁は長い指で掬い上げた。
今なら、素直なキスができるでしょう?
全ての人に魔法がかかる夜なンだから。