嗤うケダモノ
壱
「先輩、話だけでも聞いてくださいって。
死者からのメールですよ?
大好物でショ?」
「えー…
もーいーの、そーゆーの。
前に通った道だし。
さとるくんも沙羅メールも、全部通過済みだしー。」
「え?
どーだったンですか?ソレ。」
「…
まるっと不発。」
「じゃ、今度はガチかも?!
ね? お願いします。
聞くだけっ!」
「えー…」
放課後のオカ研部室。
大好きな日向が大好物を持ち込んだにも関わらず、デスクに頬杖をついた由仁の顔は渋い。
どーしてかって?
そりゃ…
「ねェ、ヒナ。
そもそも、なんでコイツら連れて来てンの?
仲イイのー?」
由仁は不服そうに唇を尖らせながら、狭い部室にひしめき合うマッチョの柔道部員(♂)×3を指差した。
ハイ。
人を指差すとか、失礼デスネ。
ソーデスネ。
でも、そんなコト言ってらンねーだろ。
完全に飽和状態だろ、この部室。