嗤うケダモノ

「なーんつーかさぁー…
ヤる気出ねェの。
バニーちゃんが『頑張って☆』とか言ってくれたらなー…」


「ミキ先輩に頼めば?
アンタ、告られたンでショ?」


由仁の隣の席に腰を下ろした百合が、ニンマリ笑いながら言った。

興味なさげにシャーペンを回し続ける由仁に代わって、樹が答える。


「断ったそうだ。」


「うっそ。
Fカップを?」


「本当だ。
Fカップを、断った。」


あー… 樹さん、百合さん。
人をブラのカップ数で呼ぶんじゃねェよ。

心底呆れた顔の百合が、長い髪を揺らして首を振る。


「アンタ、バニーバニー言ってるわりに、ことごとくフリ続けてンじゃん。
Fカップのナニが不満なの?」


だーかーらー… 呼び方…


「あーゆー、まな板の上に乗っかって、料理してーって言ってるようなコはヤーだ。
きっとすぐに食べ飽きるよ。」


しどけない仕草で机に頬杖をついた由仁が、冷めた目をしてボヤいた。

コイツ…
贅沢なコト言ってやがンな。

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