嗤うケダモノ
なるほど。
前節の意味不明なラストの正体は、このコントだったのね。
「ヒナ!」
悲鳴を上げた由仁は、バットのトドメを食らって動かないAくんを放り出し、スっ転んで動かない日向に駆け寄った。
「ヒナ! ヒナ!
しっかりして!」
青ざめる由仁に抱え起こされた日向が、Aくんにチラリと視線を送って力なく微笑む。
「て… 敵は討ち取った…
悔いはナイ… ガクッ」
「ヒナ…
死ぬな───! ヒナ───!!」
いや、討ち取ってナイ。
武士よ、おまえはコケただけ。
で、コケただけで死ぬコトもナイ。
ナニやってンの?
このバカ共。
しょーもないコントは、もうイイから。
「…なんだよ、コレ…
こんな隠し技持ってるとか…」
コンクリートの床に這いつくばったまま、Aくんが小さく呻いた。
どうやら本筋に戻れるみたい。
「なのにオカ研だって?
アンタ、ナニかを真剣にやったコトなんてねーだろ。
やっぱ先輩にはわかンねーよ…」