嗤うケダモノ
穴があったら入りたいって、きっとこーゆーコト。
だって、登場直後にスっ転ぶンだよ?
勢いに任せて討ち死にコントまで披露しちゃったよ?
たとえ穴がなかろうと、自ら掘ってでも埋まってしまいたい…
「あー… うん…
できればヒナには来てほしくなかったナー…」
気まずくて顔を上げられない日向の耳に、同じく気まずそうな由仁の声が届く。
…
デスヨネー?
空気読めってネー?
「なんか色々バレちゃうしー。
ヤロー同士のセメントマッチまで見られちゃうしー…
俺、カッコ悪ィ…」
…
アレ? ソコ?
武士はスルーでイインデスカ?
(…カッコ悪い?)
驚いた日向が仰ぎ見ると、由仁は情けない顔で髪をクシャっと掻き上げていた。
違ェから、俺は平和主義者だから、コレホント、キラいにならないでネ?ネ?…
呆気にとられる日向に向かって 由仁は必死で言い訳を繰り返す。
なんか可愛いな、おい。
そーゆーのがスキな女のコも結構いるよ?
ケンカ上等ヤンキー系男子って そこそこ需要あンだよ?