嗤うケダモノ

部の展示なんてしないし。

クラスの出し物も、『オネガイ☆』って言えば誰かが当番を代わってくれるし。

随分前から樹が、校門前に設置する立看板を書けと迫ってくるが、逃げ続けてるしー。

ちなみに藤ヶ丘高校のクラス割りは完全成績順なので、大幅な変更はナイ。

由仁と樹は三年になっても同じクラスだ。

それはさておき、由仁は今、学園祭や立看板なんぞに構っている暇などナイのだ。


(急がなきゃ…)


普通に階段を下りるのがもどかしくなった由仁は、手摺りを飛び越えて階下に着地した。

目的地は二年五組の教室。
今日こそ可愛いバニーちゃんを捕獲しなきゃ。

実は、ここしばらく由仁はまともに日向と会えていない。

部室にも来ない。
帰りもバラバラ。

ん?
フラレたんじゃねーのって?

違うわ。
全力で否定するわ。

なんと日向は学園祭実行委員なんかになっちゃって、毎日忙しくしているのだ。

そりゃさー…
友達ができて、この学校にも馴染んで、楽しそうにしてるのはイイコトなンだケドさー…

こーまで放置プレイされると、ヒナ不足で枯れちゃいマスケド?

ヤんじゃいマスケド?

死んじゃいマスケド───??!!

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