嗤うケダモノ

腰に回された腕。
背中に感じるぬくもり。

由仁に衝突したのは、日向だ。

あー…

抱きしめられてンだヨネ?
タックルじゃないンだヨネ?

結構ダメージ大きいケドネ?!


「後悔なんて…してません…」


あの衝撃を食らわせたヤツと同一人物とはとても思えないか細い声で、日向が囁く。


「ただ… 恥ずかしくて…
今、顔見ないで‥‥‥///」








萌ーえーハーゲーる───??!!

さっきよりも強烈な衝撃に打ちのめされた由仁は、不覚にも赤くなった顔を両手で覆って項垂れた。

よかったンじゃん?
お互い、顔見せらンない者同士でさ。

いつもよりぎこちない空気を紛らわすように、由仁がバイクのエンジンを吹かす。

いつもよりぎこちなく、けれどいつもより少しだけ強く、日向は由仁の腰に縋りつく。

後悔なんてするワケない。

彼の瞳の中に、胸が締めつけられるほどの切なさを見たから。

気が狂うほどの渇望を見たから。

あんな風に求められて、愛されて…

息が出来ないくらい幸せだから‥‥‥

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