嗤うケダモノ



あれぇぇぇぇぇ?!
気づいてやンないのぉぉぉ?!

コレ、普通アレだろ。

キラっキラした背景で、顔面に///←こんな斜線がついて、
『もしかして… アタシ?』
なんてモノローグがあって…

つまり少女マンガ的効果の下、カレシの愛を再認識するパターンだろ。

なんで気づいてやンないカナぁぁぁぁぁ??!!


「数だけはこなしてるから、そりゃ慣れてはいるだろうケド。
気にするコトないよ。
ジンが初めて自分で選んだ女のコは、日向よ。」


「…
ソーデスネ…」


少女マンガのヒロイン脳ではない日向は、百合の言葉に曖昧に頷いた。


(気にするコトない、か…)


そうだよね。
わかってる。

愛されてる。
その上、『彼が初めて自分で選んだ女のコ』。

ナニも気にするコトない。
わかってる。

それでも…

ズキズキ

胸が疼き続ける。

どうして胸が痛むのだろう。
どうして不安が去らないのだろう。

これ以上、ナニを求めているのだろう…

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