嗤うケダモノ

愛してる
と、おまえ様は言った。

好きだよ
と、先輩は言った。

ズキズキズキズキズキズキズキ

あれは嘘?
その優しい腕は、わちきだけのものではないの?

あれは嘘?
その優しい腕は、私だけのものではないの?

ズキズキズキズキズキズキズキ
イライライライライライライラ

わちきのものではないと言うのなら、わちきのものにしてしまいましょう。

え…
私のものに?

ズキズキズキズキズキズキズキ
イライライライライライライラ

驚くおまえ様を抱きしめて。
その首に腕を絡めて。
握った剃刀で動脈を掻き切って…
最後に、おまえ様の血に濡れた剃刀を自らの首筋に宛がえば。

もうおまえ様はわちきだけのもの。

さぁ、さぁ、さぁ、さぁ…
永遠の愛をその手の中に…

日向は由仁に抱きつき、剃刀を振りかざした。

これで先輩は私のもの。
先輩は‥‥‥

イライライライライライライラ


「コレ、違ェだろ───??!!」


絶叫した日向が、剃刀を投げ捨てる。

その刃が地に突き刺さった瞬間…

世界が崩壊した。

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