嗤うケダモノ
賑わいも、華やかな明かりも。
そこにいた大勢の人たちも。
不夜城は跡形もなく消え去った。
今、座り込む日向を包むのは、暗闇と静寂。
なんつーか…
こうも目まぐるしく状況が変わると…
(精神が病むわー…)
顔を顰めた日向は、指でこめかみをグリグリ揉んだ。
思い通り動く身体。
身に纏っているのは見慣れたセーラー服。
どうやら自分に戻れたようだ。
後は…
学校に戻りたいンデスケド?
(あの女の人はドコ行ったンだろ?)
こめかみから手を離した日向は辺りを見回した。
…
真っ暗。
ドコもカシコも。
『ダレか───!!
助けてクダサ───イ!!!』
なんて全力でセカチュー再現しても、人っコ一人来てくンねーな、こりゃ。
溜め息を吐きながら前に視線を戻した日向は…
「ぅっひゃっ?!」
奇声を上げ、座ったまま飛び上がった。
さっきはなかったハズの、裸足の足があったから。