嗤うケダモノ
さっきまでの虚ろな瞳はドコへやら。
ユカはポカンと口を開け、目の前で微笑む全身猥褻物をガン見している。
わざわざ奥から出てきたタケルも、ユカと全く同じ顔で固まっている。
そして日向も、隣に立つ自称『カレシ』を茫然と見上げて…
る、場合じゃないヨネー?
「違っ この人ふぁぁぁ??!!」
慌てて口を開いた日向の肩を強く抱き寄せた由仁は、赤い顔で狼狽する彼女を見下ろした。
否定なんかさせてたまるか。
「可愛いヒナの大事な友達がお困りだって聞いて、お祓いに来たンですヨー。
だよネー? ヒナ?」
「あ… あー… そりゃどーも…
‥‥‥‥‥お祓い?」
最初に虚脱状態を抜け出したタケルが、眉を顰める。
「ウサンクセーな。
高い金要求すンじゃねーのか、ゴラァ。」
ハイ、見事な巻き舌。
だが由仁は艶やかに微笑みながら、殺気立つヤンキーオーラを受け流した。
「ヒナの友達から、お金なんて取れないっスよー。
それより…
霊を帰さずコックリさんを終わらせたのはアナタですよね?」
「‥‥‥お… おぅ…」