嗤うケダモノ
「…///
わかるように教えてクダサイ!」
まるで照れ隠しのように日向が噛みついた。
もぅ…
いちいち可愛くて、参るよ。
ハイハイ、バニーちゃん。
お望みのままに。
「あのオッサン、きっと根は正直なンだろーネー。
色々とわかりやすく過剰反応してたでショ?」
「そーっスね…」
「なのに稲荷神社に関しては、『ご勝手に』ってカンジだったじゃん?
ソレってつまり、九尾のコトは本当に知らないンだよ。」
「なるほど…」
「じゃ、ダレが全部を知ってンのか。
一番最初に『狐に呪われてる』なんて言い出して、オッサンが杏子さんに会わせたくなさそーだった…」
「…後藤って人の、奥さん?」
「そのとーり。」
艶やかに微笑んだ由仁は、手を伸ばして日向の頭を撫でた。
それから、鏡の中の杏子に視線を移す。
「だから、ソコはあえて会いに行くンでショー?」
え?
会いに行くの?会えない人に?