嗤うケダモノ

全くもって気に入らない。

そんな可愛い顔して、他のダレカを見つめるなんて。

たとえソレが同姓でも。
身内でも。

気に入らないコト山の如し。

でも…
今回は、しょーがねェか…


「ヒナ…
ヒナもカッケー杏子さんと一緒に行っといで?
なんだったら、一足先に帰るとイイよ…」


苦虫を噛み潰したような顔で由仁が唸った。

ソレを聞いた日向が、目を瞬かせる。


「へ? 先輩は?」


「俺はココに残るから。
ちょっと、気になるコトあるしネー。」


「なら、私も残ります。」


おぉう…
なんてウレシーお言葉。

愛か?
愛なのか?

いやいや。
舞い上がってる場合じゃねーって。


「ヒナはダメー。
あのね? ココにいると」


「危ないンですよね?
わかってます。」


「へ?」


今度は、由仁がキョトンと目を瞬かせた。

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