嗤うケダモノ
いやいや…
心配だらけだよ。
むしろ、心配しかねェよ。
そんな色っぽいウインクなんかで丸め込まれたり…
丸め込まれたり‥‥‥
くっっ
しそうだケド、しねェゾ、コラァ!!
日向は反抗的な目で由仁を見上げた。
「でも… でもっっ
ラップ音とか、金縛りとか…
先輩だって、灰混ぜろとか川に流せとか、ソレっぽいコト言ってたじゃないデスカっ?」
「んー…
言ったカナー?」
由仁が笑みをこぼすと、日向はますます鋭く睨みつけてくる。
(あぁ… ゾクゾクする…)
まるで競争するように背筋を駆け上がる戦慄と快感を感じながら、由仁はペロリと下唇を舐めた。
やっぱイイね、その瞳。
捕まえたくなる。
閉じ込めたくなる。
その瞳に映るのは、俺だけでいい。
「俺ンチ近いンだケド。
おいで?
教えてあげる。
色々と… ね。」
ご馳走を前に舌舐めずりするケダモノを隠して、由仁は妖しく微笑んだ。