嗤うケダモノ

とは言え、そんなに確かなモノじゃない。
むしろ頼りない。

だって情報源とは、頭のオカシイ清司郎だったから。

彼はペラっペラ語ってくれた。

千鶴子、愛してる
千鶴子、僕を一人にしないで
千鶴子、ずっと待ってるよ

などなど…
まぁ要するに、熱烈な愛を語ったワケだ。

ハイ、コワいー

ナニコレ?
千鶴子ってば、コイツがあまりにキツくて逃げたとか?

いやいや。
だったら、職場に言って配達ルートを変えてもらえば済む話だ。

千鶴子の手懸かりは一向に掴めない。

だが違和感だけは募っていく。

清司郎は千鶴子にベタ惚れだった。
ヘタすりゃ、ストーカーレベルだった。

でもソレって、『内輪の話は喋るな』なんて箝口令を敷くほどのコトか?

ぅわっ コワっ(笑)
↑程度のネタじゃね?

やっぱり、この集落にはナニかある。
喋られてはマズいコトを、ダレかが知っている。

でも、今のままでは聞き出すことはできない。

ココは孝司郎の王国だから。
誰も王には逆らえないから。

じゃあ、どうすればイイ?

閉鎖的な集落に外から人を呼び込み、現代の風潮を呼び込み、絶対王政を崩壊させればイイ…

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