嗤うケダモノ
「な… ななな??」
昨日見せた進撃の勢いはドコへやら、蒼白になった清司郎が吃りながら後退る。
けど、そんなコト知ったこっちゃアリマセン。
グイグイ進んで怯える清司郎の前に立った由仁は、短く息を吐いて目を閉じた。
そして瞼を上げた時には…
元通り、黒く煌めく瞳。
白い肌を彩っていた隈取りも消えている。
由仁は、そんな彼を見て緊張を解き、少し緩んだ清司郎の頬に…
「イイ加減、目ェ覚ませ。」
ボコっ
グーパンを入れた。
見るからに『オヤジにも殴られたコトないのにー』を地でいく清司郎の細い身体が吹っ飛ぶ。
「な… ななななな???」
手で頬を押さえ、仰向きで階段に寄りかかった清司郎が、さっきよりもさらに蒼白になる。
けど、やっぱり知ったこっちゃねーンだよ。
由仁は階段を一段上り、倒れる清司郎を跨いで仁王立ちした。
って、コレ…
マウントポジションの、一歩手前ポジションじゃねーデスカ?!
来るのか?!
出るのか?!
鬼パウンド炸裂か?!
エメリヤーエンコvsノゲイラの再現なのか─────??!!